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誰かの「ために」より、誰かと「ともに」へ
​子どもも大人もワクワクするまちをつくろう

神薗は⻑年、学校現場に携わり、現場の先生とともに学校の学びの質を引き上げるプロとして、仕事に誇りと大きなやりがいを持ってやってきた。
プライベートでは、小学生のママでもある。情熱を持って仕事に関わりながら、子育てとの両立で多忙な日々を送ってきた神薗が今なぜ、あえて地域への働きかけにチャレンジするのか。その思いを語る。
​(2019年3月記載)

誰かの「ために」より、誰かと「ともに」へ
​子どもも大人もワクワクするまちをつくろう

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世代や立場を超えた地域のつながりで、子どもも大人もまちも成長できる

― 3年間で 1,200 人以上が来場したという、「渋谷 papamama マルシェ」も主催して いますね。

 自分がいざ子どもを産んだら、想像以上に「孤育て」でした。 私は鹿児島出身で、近くに親はおらず頼れません。出産以前、家は単に帰って寝る場所であり、近所づきあいもなし。子どもとだけ向き合っ て1日が過ぎます。そこで同年齢の子どものママたちと一緒に、「孤育て」環境を変えるイベント「渋谷 papamama マルシェ」を立ち上げました。区の子ども家庭部の後援、渋谷の子育て支援団体の方々の協力で、自分の子育てにあったサポーターを見つけられる場や、先輩や同世代パパママとつながれる場を作りました。1,200 人の親子との出会い、世代間・地域のつながりができ、さらにやるべきことも見えてきました。

― 具体的に見えてきた発見や課題は 何でしたか?

 「孤育て」解消のための、世代や立場を超えた地域の「まちの子どもとして、ともに育てていこう」という空気も大事だと感じました。一方、虐待やスペシャルニーズのような専門的知識を踏まえた適切なアプローチは行政の力が不可欠と痛感し、相互連携の必要性を感じました。「渋谷 papamama マルシェ」には30以上の子育て支援団体が関わって下さっています。30年近く渋谷で子育て支援をやっている方々と「子ども」という共通テーマでコラボレーションをする機会ができました。長い年月かけてやっているからこその視点を教えていただいて、私自身が大変勉強になりました。つながりの中で、私も育ち、先輩たちからバトンを受け継ぎ、まちも育っているんだという感覚を得ることができました。

 

 また、子どもたちからもたくさんの学びをもらっています。1年1年成長していく彼らの様子を見ることができるからこそ、気づくことや感じることがたくさんあります。

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左:「渋谷 papamama マルシェ 2018」のフライヤー

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右:「渋谷子育てmap」は1年間で7000部配布

― これまで見てきた学校現場について、 どんな課題意識を持っていますか?

 文部科学省から教育改革の大きな方向性が示され、大学入試も変わります。これからの子どもたちに一番必要なのは、「主体的に様々な人と協働して学ぶ力」です。一方、日本の学校の先生方は、OECD参加国中で一番長い労働時間 (※2) で、さらに新しいことを盛り込んでいくのは不可能です。学校と地域に関わる様々な大人たちが協働することで、子どもたちが社会へ巣立つための力を身につける機会も広がります。

※2.OECD調査(2013年国際教員指導環境調査)

― 地域と連携することで、学校にどんな変化が訪れるのでしょうか?

 渋谷区では、全小中学校のコミュニティスクールの設置を目指しています。また、地域と学校を連携する役割として地域コーディネーターの設置も増やしています。

 その制度が機能するように、学校と地域の連携を推進していくことが肝になると考えています。子どもたちと「ともに」、学校や地域が学び舎として成長していければ、学校自体の変革にもつながり、人生100年時代の「アクティブラーナー」を育て、人財が集うような場所に生まれ変わるのではないかと考えています。

学校現場で体感した、幼児期の影響が出発点

― 学校支援のプロとして約 4,500 校もの 学校現場に携わってきたそうですね。

 私は、長らく教育事業会社で学校支援をしてきま した。学力等のアセスメントの結果を先生方とともに分析し、授業や学習指導、進路指導の改善につなげたり、ソフトバンクをはじめ各分野をリーディングする方々と、新しい時代に求められる教育サービスを形にしたりすることを行ってきました。とてもやりがいのある仕事でした。

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全国の先生方や仲間たちとデジタルをいかした学びを学校現場に広げてきた

― そこでどんなことを感じてきたのですか?

 数多くの中学校・高校現場に実際に足を運ぶと、現場の先生方は本当に尽力されているんですが「自ら学べない、目標に向かえない」子どもたちも多くいました。ある時、幼児~高校の先生方が一堂に会し、どの学齢でどんな問題が発生しているかを横断で考える場 (※1)があり参加しました。課題の根源として見えてきたのは、地域のコミュニ ティが崩壊し、母親だけが孤立して子育てする状況でした。子育てに自信が持てないと、毎日が不安定になり、結果的に子どもが保護者の下で心身の安心・安全を保てなくなる。その不安定さが課題の根源になっていました。これは地域コミュニティの支援が絶対不可欠だと痛感しました。

※1. 岐阜県で高校教師をされていた浦崎太郎先生
(現 : 大正大学 地域構想研究所 教授) によるプロジェクト。

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佐賀県立致遠館中学校・高等学校での講演後に、先生方と

「共育」環境をつくっていくことが、シブヤの未来につながっていく

― あえてなぜ今回、地域への働きかける という形をとるのですか?

 家庭や学校と地域の連携というテーマを掘り下げていくと、もっと広い発想でまちづくりを考えていく必 要性を痛感しました。そして私は、子どもも大人も誰もがともに育ちあうという「共育」の環境づくりをしていきたいと決意しました。

 愛する渋谷区という「地域」にどっぷりつかり、私が住民代表として、皆さんの想いをのせ、ムーブメントを起こしていきたいです。

希少な育児中ママ&学校現場支援のプロとして

リアリティある政策をともにつくる

― 育児をしながら、チャレンジすることを どう考えていますか?

 娘も、自分自身も大きな環境変化の中にいるので、不安はゼロではありません。でも、解決したい課題を 「今」やらずに見過ごすわけにはいかないという気持ちと、渋谷区の区議会で子育て中のママ議員が1人しかいないという衝撃も、大きな理由です。また、学校現場での経験がこれからの学びの場の変革に必ず役立てると考えています。

 渋谷区はたくさんの可能性とポテンシャルを秘めているまちで、こんなに面白い大人たちが集うエリア は、世界を探してもそうありません。誰かの「ために」ではなく、誰かと「ともに」面白い、ワクワクする 未来を一緒につくっていきましょう!!!

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小学生になる娘も応援してくれてる。子育て当事者の声をしっかり形にしていきたい。

© kamizonomachiko.com

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